2/1の土曜日午後に大阪眼科集談会という地方学会で発表してきました。
演題は、「当院での水晶体再建術併用眼内ドレーン挿入術(iStent手術)施行症例術後3ヶ月の成績」です。なかなかいかめしい題名ですが、前にもこのブログで少しお話しをした、極低侵襲緑内障手術(Micro-invasive Glaucoma Surgery:MIGS)であるiStent®手術の結果の話です。
iStent手術の復習しますと、緑内障がある患者様の白内障手術の時に、小さいステント(管)を隅角に刺して、眼内の水(房水)が眼の外に流れやすくすることにより眼圧を下げるという手術です。
本来は昨年の10月に発表する予定でしたが、大阪に暴風警報が出ていた為、中止となりその後症例数を増やして集計し直しての発表でした。
対象は当院でiStent手術施行し、術後3ヶ月以上経過をみることの出来た症例32眼です。
緑内障に関する結果を簡単にまとめますと
●眼圧について。
術前平均眼圧16.8mmHgが、術3ヶ月後に15.1mmHgと有意に下降しました(眼圧下降率10%)。
●緑内障点眼薬の数は。
術前平均2.2剤が、術3ヶ月後に0.3剤と有意に減少しました。
また症例数は少ないですが、術後12ヶ月経過をみることの出来た7眼でも、
・術前平均眼圧16.3mmHgが、術12ヶ月後に15.1mmHgに下降しました。
・緑内障点眼薬数は、術前平均2.7剤が、術3ヶ月後に0.9剤と有意に減少しました。
術後早期の成績ですので、まだまだ経過を診る必要がありますが、緑内障点眼薬を減らせて、それなりの眼圧下降が得られている印象です。
白内障の手術に約5~10分の追加の手術ですので、患者様の負担も少なく、なかなか良い手術だと考えています。
もっと長期に経過を診ていき、また結果をまとめたいと思います。